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ピックルボールで最初に覚えるべき技術をひとつ挙げるなら、迷わず「ディンク」です。ネット際にふわりと落とす柔らかいショットで、地味に見えて勝敗を最も左右します。この記事は打ち方だけでなく、グリップの握り方から、使う場面の判断、レベル別の上達ロードマップまでを1本にまとめた完全ガイドです。
この記事でわかること
- ✓ディンクが最重要と言われる理由
- ✓グリップの握り方と力加減(ここで差がつきます)
- ✓打ち方の5つのポイントとやりがちなNG
- ✓いつディンクを使う?場面別の判断基準
- ✓ひとりでもできる練習ドリルと、レベル0→3の上達ロードマップ
ディンクとは?なぜ最重要なのか
ディンクは、ノンボレーゾーン際から相手のノンボレーゾーンにふわりと落とす柔らかいショットです。相手は足元でバウンドした球を持ち上げるしかなく、強打できません。
ピックルボールは2バウンドルールとノンボレーゾーンのおかげで「強打の潰し合い」ができない設計になっており、上級者の試合ほどディンクの我慢比べになります。つまりディンクが上手い人=崩されない人。初心者のうちから練習する価値が一番高い技術です。
グリップと構え|ディンクの土台
打ち方より先に、実は握り方で差がつきます。ポイントは2つだけです。
握り方はコンチネンタルグリップ
パドルの面を地面と垂直にして、包丁を持つように上から握るのがコンチネンタルグリップ。フォアもバックも持ち替えずに打てるので、速いネット際の打ち合いに一番向いています。
1.パドルを地面と垂直に立てる
面が真横を向くように、パドルをまっすぐ立てます。
2.包丁を持つように上から握る
手のひらを上からかぶせて、そのまま握り込みます。人差し指の付け根がパドルの角に当たれば合っています。
3.そのまま両側を打ってみる
握り替えずにフォアもバックも打てれば正解です。
ネット際は握り替えている時間がありません。1つの握りのままフォアもバックも打てることが、ディンクではいちばん効いてきます。
握る強さは10段階の「3」
強く握るほどボールは飛びすぎて浮きます。グリップは10段階で3くらいの柔らかさ。卵を割らずに持つ感覚です。構えはパドルを体の前・胸の高さにキープ。この2つができているだけで、ディンクの半分は完成です。
良いディンクの軌道を見る
目指す軌道はこれです。ネットすれすれを越えて、相手のノンボレーゾーン内に落ちる。高く浮いた瞬間に叩かれます。
コートを横から見た図。左が自分、ネットの向こうが相手のコートです。
打ち方の5つのポイント
ディンクは4種類ある|打ち分けが上達の分かれ目
上級者がネット際の打ち合いで強いのは、ディンクを1種類だと思っていないからです。目的の違う4つを打ち分けています。
トップスピンディンク(回転をかけて沈める)
パドルを下から上へこすり上げて、前回転をかける球です。回転で急に落ちるので、ネットの上を通しても外に出ず、バウンドしたあと相手の足元に食い込みます。体勢が整っていて、相手の球が甘いときだけ使う攻めの球です。
スライスディンク(切って低く保つ)
パドルの面を少し開いて、上から下へ薄く切るように当てる球です。球が前に伸びずに手前で止まるので、相手は踏み込まないと届きません。まず覚えるならこれで、体勢が崩れたときの逃げ道にもなります。
デッドディンク(勢いを殺してネット際の真ん中へ落とす)
回転もスピードもかけず、ネット際の真ん中あたりへふわっと落とすだけの球です。攻めない代わりに、相手も角度をつけて打ち返せません。
ノーバウンドで押し返すディンク
深めに浮いた球を、バウンドさせずに相手のゾーンへ押し返します。ラインを譲らないための球です。
相手に押し込まれて体勢が崩れているとき、なんとかしようと強く打ちたくなります。でも崩れたまま打った球は浮いて、次の1球で決められます。
そこで苦しいと感じたら、勢いを殺してネット際の真ん中あたりへ返す。攻めるのをあきらめる1球ですが、相手も決めきれず、こちらは体勢を立て直せます。
回転をかけるディンクを打っていいのは、体勢が崩れていない・ラインの位置を保てている・体の前で打てる、の3つがそろったときだけ、というのが目安です。
なお、この4つのうちスライスは、アメリカのトップ選手ではほとんど使われなくなりました。表面のざらついたパドルが広まり、切った球をそのまま回転をかけ直して打ち返せるようになったからです。
ただしこれはプロの話です。回転量の少ない相手が中心の場では、スライスはいまも十分通用します。
場面別|いつディンクを使う?
「打てるのに使いどころが分からない」が初心者あるあるです。使うのは主にこの3つの場面です。
攻める?我慢する?の判断基準
- ✓相手の球が高く浮いたら攻める(胸より高い球はチャンスボール)
- ✓低い球・沈む球はディンクで我慢(持ち上げた瞬間に立場が逆転します)
- ✓迷ったら我慢。ディンク戦は先に浮かせた方が崩れます
ノンボレーゾーンのルールがあいまいな人は、先にノンボレーゾーン徹底解説を読むと判断がクリアになります。
やりがちなNGと直し方
練習ドリル3つ
上達ロードマップ|レベル0→3
ドリルをやみくもにやるより、順番に「合格ライン」を越えていくのが近道です。週1プレーなら、レベル3まではだいたい2〜3か月が目安です。
LEVEL 0フォームを作る(今日から)
パドルの上でボールを小さく弾ませて、コンチネンタルグリップと「手首を止めて腕で運ぶ」感覚を体に入れる。場所も相手も要りません。
合格ライン その場で30回連続。パドルの面がぶれず、手首が動いていないこと
LEVEL 1つなげる(1〜2週目)
ペアディンクでラリーを続ける。浮かないことだけに集中し、強さは2〜3割をキープ。
合格ライン ペアディンク20回連続。浮いた球が10本中2本以下
LEVEL 2打ち分ける(3週目〜)
ターゲットディンクで左右に打ち分ける。相手のバック側に集める意識を持つと実戦的。
合格ライン 狙った半面に10本中7本。クロスディンクでも20回続く
LEVEL 3試合で使う(1〜2か月目〜)
ゲームでディンク戦に持ち込み、「浮いたら攻める・低ければ我慢」の判断まで含めて実践。
合格ライン ディンク戦で自分から浮かせて失点する場面が減ったと実感できる
上級テクニック「アーニー」
ディンクが続くようになると、相手が急にサイドラインの外へ飛び出して、ネット際で叩いてくる場面に出くわします。これがアーニーです。
よく見るのは、コートの中から踏み切って空中でボレーし、サイドラインの外側へ着地する形です。ノンボレーゾーンの外で踏み切って、打ったあとの勢いも含めてゾーンに触れなければ反則になりません(ゾーンの上空を通るのは自由です)。
まとめ
ディンクは「低く・柔らかく・ノンボレーゾーンへ」。コンチネンタルグリップで柔らかく握り、膝で高さを合わせ、肩から置きに行く。この感覚が身につくと、力自慢の相手にも崩されなくなります。
- ✓握り方=コンチネンタル、強さ=10段階の3
- ✓低い球は我慢、高い球だけ攻める
- ✓ロードマップはレベル0のボール弾ませ30回連続から
ノンボレーゾーンのルールがあいまいな人はノンボレーゾーン徹底解説を、試合ルール全体はルール完全ガイドをどうぞ。これから道具をそろえる人はパドルの選び方も参考に。
※ルールの表記はピックルボール日本連盟の公式ルールに準拠しています。

